岡崎市で子育てをはじめたママやパパに役立つ情報を集めました。

和っ家 猪飼由美子さん

保育士、「なごみん」立ち上げスタッフを経て現在は民生委員、主任児童委員をされながらお母さんと子どもを見守る和っ家を主催されています。 この街の子育てに関わって30年を越える子育て支援の大ベテラン。困ったことがあったら猪飼さんに聞けば大丈夫!インタビューをした私自身もそう思っているママの一人です。

保育士さん時代から障がい児クラスを担当されていたと以前お聞きしたと思うのですが、それは何か想いが当時からあったのですか?

そうですね。学生の時から、授業として興味はあったし学外のサークル活動の中で障がい者のあるこどもたちの施設を訪問したりしていました。採用の時も、たしかそんなような話をしたような…ずいぶん前のことですが。笑


わたしが子どもだったころ近所の左官屋さんに今でいう障がいのある人が雇用されていました。学校の行き帰りでその姿を見たり、時には話しかけたりして交流があったんです。友達の中にはからかう子もいましたが、私は母に「しっかりとお仕事を頑張っているのよ。」と教えられていたので、そういったことはする気にはならず、そんな私に向こうも心を許してくれたのか、自転車のすごい技をやって見せてくれたりしてとても感動した覚えがあります。
それ以外にも、聾(聴覚障がいがある人)の両親を持つ同級生がいてその子のうちに遊びに行ったりと、なんとなく障がいはあるけど、何の問題もなく優しい人に私は囲まれて育ちました。
そんな思い出が何となく職業選択の時に私をそちらに導いたような気がします。

その保育士経験を経て地域交流センター「なごみん」に移られたのはどうしてですか?

子どもを3人産み育てて、保育士時代から多少は感じていた「子育て支援」をますますやっていきたいなあ。必要だなあ。と感じていました。時代的にも、核家族が増えたりしてきましたしね。

そんなときに、声をかけていただいたので思い切ってやってみることにしました。

やってみると、大きな組織としてやれることのよさはもちろんありながらも、ルールもそれなりにあって、自分がやりたいこととの溝を感じたので、一市民という立場でやれることをやりたい!と思い退職をして、今の市民活動をすることにしました。そこから、多種多様な勉強の機会に足を運ばせてもらい、今もなお学びながら実践しています。

和っ家とベビーマッサージの講師をしながら、民生委員や児童主任委員もされて、さらにはCafeあすなろでも働かれて…大忙しですね。

そうですね。おかげさまで手帳はいつも真っ黒。
和っ家も回数を増やしたいけれど、なかなかボランティアさんも私自身も空きがなくて思うようにはいきません。
今は2歳を過ぎると働くママも増えてきているので、ベビーマッサージや和っ家、あとは民生委員としてまわる赤ちゃん訪問がママとつながる数少ないチャンスだと思っています。
そうやって、ちょっとでもつながっておけば、育児でママが困ったときや悩んだときに連絡をもらえるといいなあと思っています。また、見守ってくれている人がいると思うだけで少しは心強く感じてもらえていたらいいのですが。

「なごみん」にいたころに通ってくれていたお母さんと、街で偶然会うと子どもの近況を教えてもらったり、中高生になった子どもたちがぽろっと悩みを話してくれたりします。LINEの相談も時々きます。
そうやって、偶然出会ったときや、ちょっと苦しくなった時に思い出してもらえて、少しでも力になれたらこれほどうれしいことはありません。
そのために、なるべくたくさんのお母さんと赤ちゃんと出会える機会話せる機会を作っていきたいと思っています。

Cafeあすなろで和っ家をされているのは何か想いがあるのでしょうか。

家も近いし、自分が民生委員を務めているという事ももちろんありますが、ここのように障がいを持っていても毎日楽しく働いているという生き方を、たくさんの人に見てほしいし、障がいのあるお子さんを育てているお母さんは、自分の子どもの将来のことを悩む方は本当に多いので、その子たちの将来の姿として、ここで働く子を見るのもいいのかなあと思っています。

それに、私の幼少期がそうであったようにもっと、障がいの有無や性別やいろんなものをごちゃまぜにしてなんでもOKという世の中になったらいいなあと思ってます。だから、世代も越えて障がいなんてもちろん超えてみんなで楽しめる場をこれからもたくさん作って、みんなで子どもたちを見守り育てていきたいですね。

ママも、肩の力を抜いて遊びに来てくれたら嬉しいです。

猪飼さんのこれからの展望やママたちにアドバイスをお願いします。

そもそも人間の子育ては動物行動学的にひとりでやるものではありません。
こどもの成長には複雑な環境因子が必要です。だからたくさんの経験と知恵を持った年配者がそばにいて見守り支えるのが人類の子育てだったはずなのです。だから、一人でできないことはもっと「一緒にやってほしい」「やり方を教えてほしい」と言っていいのです。ところが、この数十年の間に子育てがおかあさんひとりの仕事になってしまいました。
そのことを、おかあさんにもまわりの人たちにも知ってもらい、形ばかりではない産前産後切れ目のないサポートを実現したいと思っています。そうやって自然とチームとなって子どもをみんなで見守りたいと思っています。
こどもはいつもお母さんの顔を見ています。だからこそ、たくさんのひと、こと、物をつなげておかあさんが笑顔になれる事なら何でもしていきたいと思っています。

また、お母さんには、 たくさんの情報にこどもを合わせようとするのではなく目の前にいるこどもに、 触れる、 視る、 聴く、 話す をしてほしいと思っています。

それに疲れてしまったり分からなくなってしまったらいつでも頼ってきてくださいね。

猪飼さんが行っている活動
和っ家

[インタビュー後記]
猪飼さんと一緒に活動をしていると、必ず街で誰かに出会う猪飼さん「世間は狭いわー。」と、猪飼さんは言うけれど「いやいや猪飼さんが広いんすよ!」といつもツッコミを入れていますが、今回インタビューをして改めてその理由がよく分かったような気がします。
この街の、子育ての現場の真ん中でずっと母子を見守ってくれているそのことにただただ頭が下がるとともに、これからも居てもらわないと困る存在だと再確認しました。
これからも、この街のママと子どもたちをよろしくお願いします。

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