1歳というと、視力は大人とほぼ同じになり、多くの子が歩き始めます。
簡単な言葉も発することができるようになりますし、手先もずいぶんと自分の思うように動かせるようになってきて、指差しなども出てくるでしょう。
これぐらいになると、絵本を読んでも反応があって面白いですね。
さあ、そんな1歳!
①単純で短いもの
②自分の生活や身の回りにあるものが登場するもの
③しかけなど、参加できる絵本もOK
①単純で短いもの
まだまだ、ストーリーをしっかり理解するというのは難しい年頃。飽きてしまわないよう短くてストーリーも単純なものがオススメです。また、0歳に引き続き連続による安心感や、擬音が好きというのは残っていますので、その辺りも加味して選んでみるのがいいですね。
「ブルブルさんのあかいじどうしゃ」福音館書店 平山暉彦作 2008年発行
「みんなではしろう」 福音館書店 白川三雄作 2002年発行
「こっくんこっくん」 福音館書店 イチンノロブ・ガンバートル 文 / バーサンスレン・ボロルマー 絵 / 津田 紀子 訳 2013年発行
②自分の生活や身の回りにあるものが登場するもの
これもまた、0歳に引き続きですが、1歳になると歩いてお散歩に出かけたり、食べ物もぐっといろんなものが食べられるようになり0歳に比べれば格段に世界は広がっています。
その広い世界の中で本人が興味をもったものを選んであげるのがいいですね。
乗り物や動物、虫、食べ物などそれぞれ興味の傾向が見えてくる子もいるかと思います。また、季節を感じられる絵本も取り入れると選ぶ方も楽しいのではないでしょうか。
さらに、「ねんねする」「くっくはく」「すわってたべる」など、生活習慣を伝える絵本もたくさんあります。しつけが第一の目的で絵本を読むのはちょっと違うようにも思いますが、楽しみながら「本の中のくまちゃんといっしょね。」といった具合に正しい習慣を教えていけたらいいですね。
「コンニチハエホン」 イノウエヨウスケ作絵 福音館書店 1998年発行
「ねんころりん」 きむらよしお 福音館書店 2016年発行
③しかけなど参加できる絵本もOK
0歳から大きく変わるのは、ここでしょうか。自分の意志で手足が動かせるようになった1歳さん。仕掛けの窓をめくったり、開いたりするのは楽しいですし手先の器用さを磨くことにも繋がります。
また、「ワンワンはどーこだ?」というと犬を指さしたり、「ブーブー!」と車を発見して喜んだりと反応してくれるので、こちらも読むのが楽しくなる時期です。絵本は、このようなやり取りができるのが何よりも醍醐味。
手遊びに展開したりしながら親子の時間を楽しんで下さい。
「どーっちだ?」 福音館書店 植垣歩子作 2007年発行
「おーい おーい」福音館書店 さとうわきこ作 1998年発行
【りんご箱文庫の現場から】
1歳になると、自分で絵本を選んで持ってくる子もいます。りんご箱文庫の売り場でもよく見るのはお子さんがもってきた本にママが、「それはお家にあるじゃない。他のにしよーよ!」と言っている光景。
それは、きっと本当にその本をママに読んでもらうのが好きということだなあと思ってみています。
また、知っている本を見つけた!という喜びをママに伝えているのではないかと思うのです。
「あ、お家にある本と一緒だね。」と一言共感してあげるときっとお子さんは安心するのではないかなあ。
うちの娘も、1歳2歳はそうでした。最近は「これなっちゃんちにもあるよねー!」と言えるようになりました。言葉が出てこなかった1歳2歳の頃も同じことを、私に伝えたかったのかなあ。と今更ながら感じています。そして、「よんでー。」と言います。だから、うちにもあるじゃん!と言いながら1回読みます。すると、納得して売り場に戻しています。言葉が出ないときも、きっと近い心理状態だったのではないかな。
1回読んで、それから一緒に新しいお気に入りを探すと納得してもらえるかもしれません。