産後のお母さんの心と体の回復を目的にバランスボールの講座を開設して2020年で5年を越える松井さん。
岡崎市内で2人の男の子を育てているママでもあります。今回は、松井さん自身の産後のことや講座に込めた想いなどを伺ってきました。
バランスボールの教室をやりたい!と思ったきっかけはなんですか?
私自身が、産後ってこういう風になるよ!と言われている症状を全部やったのではないかというぐらい、長男の時の産後がすごくつらかったんです。
腰痛、肩こり、子どもが寝なくてつらくって情緒不安にもなるし、主人に対する想いもどんどん離れてくるいわゆる産後クライシス状態にも陥りました。
そんなつらい状況の中、1ヵ月検診以降子どもの検診は次々にあるのにママの検診はないし、赤ちゃん訪問に来ると言っても結局「ママは大丈夫?」といわれたら、なんとなく「大丈夫です。」としか言えない自分がいたりして。
そんな中、いろいろ調べると体のことは骨盤矯正などをやってくれる整体院がある、でも心は心療内科が出てきてさすがに赤ちゃんを連れて行くのも大変だし、勇気も出なくてどこにも行けないままでした。
そんなこんなしながらも、その後次男を出産し、なんとか子育てしてる中で今所属している「体力メンテナンス協会」に出会い「体と心の両方ケアする」というところに共感し、これからの仕事として私自身の経験を活かしながら出来たらいいなあと思うようになりました。
ご自身の経験を踏まえて、クラスで一番伝えたいと思っているのはどんなことですか?
まずは、何をするにも土台となるのは体力だよということ。そしてママ自身の体と心に起きている変化を知ってもらって、多くの不調や変化にも対処法があるんだよ。と言う事を伝えたいですね。
私もそうでしたが、「辛いけど世の中のお母さんはみんなそれでも頑張ってるんだ!私だけが弱音を吐いてる場合じゃない!」そんな風に「お母さんになったんだから頑張んなきゃ!」と産後は思ってしまいがちですが、
育児は未経験の連続で、不安と緊張感で一杯の毎日だからこそ頑張り過ぎは禁物なんです。
また、結婚するとご主人のサポート、ママになると仕事もやめて子どものお世話となると、ママは自分自身を見失いがち。
でも、本当は私はどうしたいのか?ということを見つめてみると、ママ自身が自分の軸を持てるようになると思うんです。
自分という軸が出来てくると、子どもの成長やパパとのことを他の家族と比べてモヤモヤすることが減ったり、産後に持ちがちな「私ばっかり大変で誰も育児の大変さを分かってくれない」という被害者意識の根底にあるもにも気がつくようになります。
そして、ママの笑顔が増えて元気になると、お子さんやご主人との関係もどんどん変わっていきます。これは、たくさんのママを見てきて本当にそう思います。
産後トータルケアクラスを通して、客観的に自分を見るための視点の持ち方、思考の整理の仕方、自分との向き合い方をお伝えしていますが、
何よりもママ達には自分自身を満たす事、ご機嫌でいられる方法をたくさん知ってもらいたいと思いますし、子育てを一人で抱え込まないで、
助けを求める事、信じて委ねる事の大切さも伝えて行きたいと思っています。
講座の中で特におすすめのワークはありますか?
どれも思い入れのあるものばかりですが…
「セルフトレジャーハンティング」というのは、お互いにほめほめタイムをやったりしてすごく盛り上がるので好きですね。
あとは、私自身が主人とのパートナーシップに悩みを抱えていた時期もあるので、そのテーマはいつも胸が熱くなってしまいます。「産後クライシス」という言葉もずいぶんメジャーになってきましたが、第一子出産後に奥さんの旦那さんへの想いが急降下し夫婦関係が上手くいかなくなるというのは本当によくある話。
でもなかなか友人同士で真面目な話題にはしにくいので、こういうワークはすごくいいし、家庭で実践して夫婦仲が上手くいくようになった!という報告もすごくよく受けるので嬉しいです。
産後は、体力も落ちています。コミュニケーションって体力がないとあきらめてしまうんですよね。めんどくさいから、まあいいわ。って。でもそうすると産後クライシスもひどくなるばかり。
そんな時に、バランスボールで体力をつけるとコミュニケーションをしてみようという気力も湧いてくる。そういう意味でも、体と心は本当につながっているんです。
というわけで、やっぱり全部ですね。笑
これからはどんなことに挑戦したいですか?
産院での講座や、パパ向けの講座なんかやってみたいですね!
産後のママの体や心に起きていることをママ自身や一番近くにいるパパが知ることによってきっとママは楽になると思うしサポートする側もしやすくなると思うのです。
松井さんが行っているサービス
バランスボール産後トータルケアクラス
[インタビュー後期]
いつもさわやかで元気な松井さん。もともといわゆる運動が得意で…というタイプなのかと思いきや、全く逆だと聞いて驚きました。
さらには、ご自身が産後をいわゆるこじらせた。とは今の松井さんからは想像がつきません。でも、頑張り屋で真面目な彼女ならあるかもしれないなとも思うのが正直なところです。
専業主婦になり、ご主人の実家の近くに住み、第一子を出産するというまさに良き妻よき母の王道を進んでいた彼女にとって、産後の辛さは本当に大変だっただろうなあと想像します。
だからこそ、そんな彼女が生き生きと活動をし、「ママ自身が本当はどうしたいか?を考え自分自身を軸に生きていけるようになってほしい。」という言葉に重みを感じます。
まだまだやりたいことがいっぱいある!という彼女。彼女の元気がどんどん伝染していくことを願っています。