産前産後のお母さんのサポートである産後ドゥーラをはじめて2019年で4年。延べ500回を越えるサポートをされている松本忍さん。
岡崎市内で2人の男の子を育てているママでもあります。今回は、ドゥーラになったきっかけやサポートへの想いなどを伺ってきました。
ドゥーラになろうと思ったきっかけはなんですか?
私は長男の出産後、里帰りをせずに自宅で整体院を開業している主人にサポートしてもらいながら産後の1ヵ月を本当に寝たきりで過ごしました。主人は整体師という仕事柄、産後は本当に何もするな!と家事も育児も全面的に支えてくれて私は寝たきり状態でいることができました。
でも、そうしている時に考えていたのは、この時間みんなもっと家事をしているし上の子がいたら動かざるを得ないよなあということでした。
一方で産後は本当に寝たきりになるべきだなあというのも実感していたし、これはサービスとしての需要も社会的な必要性もあるのではないか!と思ったのが産後ケアに興味を持ったきっかけです。
その後、次男出産後にSNSでドゥーラ協会を知り、一念発起して当時勤めていた会社を辞める決断をしてドゥーラになるための勉強を始めました。
開業されてからは大忙し!ですか?
研修後すぐに依頼は来たんですが、その後はパッタリ。
もう、思い切ってアルバイトもしましたよ。せっかく仕事を辞めてドゥーラになったのに!と思ったし、絶対必要なのにどうしてみんな使わないのだろう?と思っていましたが、ドゥーラをやめるわけじゃないからと自分の中で折り合いをつけてアルバイトをしてましたね。
その後は徐々に依頼も増えて今ではスケジュールがしっかり埋まっています。
どのような方の依頼が多いですか。
お勧めしているのは、妊娠中にプランをして出産後1ヵ月は週に3回、2か月目は週に2回、3ヵ月目は週に1回といった感じで徐々にお母さんが自分で回していけるようになるのをサポートしたいと思っています。
でも最近増えているのは生後半年ぐらいたって、腱鞘炎になってしまったり腰を痛めたりしたお母さんがヘルプコールのようにご連絡をいただくケース。
また、心が疲れてしまって生後3か月ぐらいでご連絡を下さることも出てきています。
ヘルプコールまで頑張ってしまうというのはドゥーラの存在を知らない方がまだまだ多いという事でしょうか。
それもあると思いますが、家事ぐらいで人に頼るなんて…と思っている方も多いのだと思います。私の存在を知ってから「頼る」という決断までにそれなりに時間がかかるのではないでしょうか。
アジア系の方のサポートに伺ったこともあるのですが、母国ではこれが普通という事で、何の抵抗もなく頼ってくださいました。
日本にもそんな文化が根づいたらいいなあと思います。
里帰りもなかなか大変だし、働いているおばあちゃんも増えていますからね。
お仕事をされていてうれしいのはどんな時ですか。
産後直後のお母さんは本当に抜け殻状態。
でもそのお母さんに寄り添っていると、だんだん回復しながら「お母さん」という本能のようなものが覚醒してくるんです。その様子を見ていられるというのは本当にうれしいですね。
産後しっかり養生してお母さん自身が安心できる時を過ごすと、この先安心して子育てしていいんだって思えるような気がしています。逆に最初につらい思いをたくさんしてしまうと、子育てって我慢ばっかり!って思っています。
お母さんにはゆったり過ごしてもらってぼーっとした頭で赤ちゃんと一緒に横になりながらしっかりと赤ちゃんを見て感じてもらえたらいいなと思っています。
それがそこから始まる子育ての基本になるような気がするから。
ドゥーラになられてご自身の子育てや生活に変化はありましたか。
もともと、家事が得意でドゥーラになったわけではないので、仕事としてやらせていただきながら家事スキルを上げている気がします。
また、たくさんのご家庭にお邪魔しても本当に2つとして同じところはない。だからこそ、自分の家庭もまあこれぐらいでも大丈夫!と思えるようになったと思います。笑
また、サポート先でもお母さんが元気になっていくと家族みんなが喜んでくれるんです。だから私も元気でなくてはと思っています。
松本さんが行っているサービス
産後ドゥーラ
[インタビュー後記]
産後サポートをしている方と聞くと女性的で柔らかい雰囲気の方かと思いきや、お会いした松本さんは強くてさっぱりしていて「頼りがいのあるお姉さん」といった印象。
その強さの芯は産後のお母さんをサポートするだけではなく、そこで出会ったお母さんが生涯を通じて幸せに暮らしていくことができるようにずっと見守っていきたい。困ったときはいつでも助けてあげたい!そんな思いのように感じました。
これからもその想いをひとつひとつ形にされていきそうな予感。個人的にこれからも大注目!な方です。